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今月の健康「過活動膀胱」

[2018.02.09]

がまんできない尿意は

 最近テレビのCMや新聞広告で「過活動膀胱」という言葉をよく耳にするようになりました。
 過活動膀胱とは、トイレに行きたい(尿意)と感じた途端に我慢ができなくなり、一刻も早くトイレにかけ込まないと尿が漏れてしまう(尿意切迫)という症状のことです。
 糖尿病や心筋梗塞のように、検査をして診断をつけるような病気ではなく、上のような症状があるだけで診断名がつく、いわゆる「症状症候群」といわれるものです。
 実際に尿が漏れてしまう切迫性尿失禁や何回もトイレに行く頻尿を伴うことが多いです。

膀胱の力の衰えが原因

 原因で最も多いのは、加齢です。膀胱に尿をたくさんためて、尿意を感じても平気で我慢ができるということは膀胱に力がないとできないことです。
 誰でも年とともに膀胱の力は低下してきます。そして基本的には、ほとんどの人は年とともに昔のように尿意を我慢ができないということになります。それが日常生活に差し支えるようになれば、過活動膀胱として治療が必要になってきます。
 その他脳卒中や脊髄損傷、糖尿病など神経の働きが低下する病気や男性では前立腺肥大症などでも過活動膀胱の症状が出てきます。

治療は正しい診断の下で

 治療としては、頻尿治療薬や男性であれば前立腺肥大症の治療を行います。薬剤は何種類かありますので、症状や合併症に合わせて選ぶことになります。
 しかし膀胱にいっぱい尿がたまっているのに排尿できない尿閉の時も、尿が少しずつあふれるように漏れて見かけは頻尿に見えることがあります。そのような時に頻尿治療薬を服用すると、かえって病状が悪化します。
 また膀胱炎のときも頻尿になります。ご自分で判断せずに日常生活に困るような症状があった時は、泌尿器科を受診してください。

田島診療所 泌尿器科 医師 中谷 浩

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