今月の健康「肺炎球菌ワクチン」
高齢期、肺炎を侮るなかれ
肺炎はウィルスや各種細菌が主な原因となります。中でも、日常生活で起きる肺炎(市中肺炎)の原因の1位は肺炎球菌です(約25%)。ちなみにインフルエンザ菌が第2位(10%)、マイコプラズマが第3位(8%)と続きます。
一度の接種で5年間免疫
肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌による感染を予防するためのワクチンです。肺炎球菌は、肺炎だけでなく敗血症や髄膜炎を起こすこともあり、重症化の防止にはワクチン接種が有用です。
季節を問わず接種可能です。一度接種すると5年間は免疫が持続します。 以前は、2回目の接種は禁忌でした。当時は「一生に1回だけ」と説明していました。現在は初回の接種から5年が経過しておれば再接種が認められています(助成制度は対象外)。
肺炎は死亡原因の第3位
日本人の肺炎による死亡率は上昇傾向で、死因別で第3位を占めています。肺炎による死亡者の多くは高齢者であり、65歳以上が95%を占めます。
肺炎球菌には90種類以上の型があります。定期接種で使用されている23価肺炎球菌ワクチンは、そのうちの感染症を起こすことが多い23種類の型に絞って作られていますが、完全には肺炎球菌を予防することはできません。そのため、ワクチン接種を受けた方であっても日頃の予防策を心がけることが必要です。
肺炎予防の心掛けとしては、日頃から体調を崩さぬように規則正しい生活を心がける。風邪などに早い目に対応する。手洗い、うがい、入浴、運動等も大切です。
節目だけの市助成制度
大阪市では肺炎球菌ワクチン接種の制度があります。初回の場合は、公費助成でワクチン接種を受ける事ができます。公費助成の対象は65歳以上で5歳おきの方です。対象の方には大阪市からハガキが郵送されますが、ハガキがなくても接種できます。また、対象年齢以外の方でも、もちろん随時に任意接種が可能です。詳しくは診療所にご相談ください。